スタッフブログ(2015/12/14)
不動産投資セミナーの和不動産による日々の活動・イベント開催レポと
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2015/12/14【新築アパート経営について考える】
昨今の不動産投資熱の高まりにより、物件価格の高止まりが続いています。
その為、中古マンションの価格も上がり、利回りが低下していることから、「中古マンションよりも高い利回りが見込め、しかも新築である」という謳い文句にひかれ、新築アパートをフルローンで購入するといった方も増えているようです。
実際、雑誌やネットなどでも、「年収500万円でも頭金0円で資産○億が可能」といった新築アパートについての宣伝もよく見られるようになりました。
しかし、本当にその投資は安心といえるのでしょうか?
実は、弊社に来られるお客様の中にも、新築アパートをフルローンで購入し、収支が悪化してしまって困っているといったオーナー様も少なからずいらっしゃいます。
新築アパートに多いケースですが、販売している時点で入居者がついていないことも多い為、アパート販売会社が長期間のサブリースをつけるケースが多いです。但し、このサブリース、実はトラブルが多く、国民生活センターでも問題になっているような状況です。
サブリースは、当初の家賃が長期間にわたって保証されるものではなく、2年毎の家賃見直しがあります。これにより家賃が下がり続けることが多く、当初の見通しが甘かった為に収支が悪化してしまうケースが多いのです。
実際、新築アパートを3棟購入し、資産2億円をつくったという方の例を見てみると・・・。
物件価格4300万円程、家賃収入 月25.8万円、年間収益42万円
(ローン返済、固定資産税、諸費用控除後)
物件価格6800万円程、家賃収入 月38.7万円、年間収益64万円
物件価格7000万円程、家賃収入月38.3万円、年間収益52万円
・・・以上をあわせ、3つの合計資産が1億8000万円程、3棟の家賃収入合計は月102.8万円とのことです。
皆さんは、この金額を見て、どのように考えるでしょう?
資産は1.8億円ありますが、それに対する年間収益の金額は158万円(42+64+52)程度。
とすると、2億円近いローンを組んだとして、収益はその1%程度。収益が悪化した場合のリスクは小さなものではないと思います。
例えば、新築マンションでも、10年後には約10%程度も家賃が下落するというデータがあります。 マンションほどしっかりと造られていないアパートの家賃下落率は、それ以上になると考えられます。 例えば10年後、この新築アパートを購入された人は、本当に終始が黒字のままでいられるのでしょうか?
サブリースの保証する家賃は、通常の家賃と空室率、建物の管理費用から決まります。
新築物件の場合は特に、家賃の下落率と空室率は、時間の経過とともに下がっていくことが予想される為、
保証家賃も、それに伴い下がっていくことが予想されます。
長期でローンを組んでいる場合、ローン金額が大きい分、ちょっとした値下がりでも影響が大きいことを注意しなければいけないでしょう。
また、マンションと比べ、アパートは、修繕積立金などは全てオーナー持ちとなる為、予め、大規模修繕に備えた修繕費を見積もっておくことが必要となります。大きな資産を持つということは、それだけ、大きな支払も伴うことになります。万一、突発的な問題が起きた場合、出ていく金額も大きくなってしまうことも考えられます。
それ以前に、業者に提示されたプランが、本当に必要な経費を見積もっているのか、厳しい目でチェックすることも忘れてはいけません。表面的な利回りをよくする為、費用を過少に見積もってプランを提示される場合もある為、購入者は厳しい目でプランをチェックする知識を持たなければいけません。
通常、アパート経営で問題が生じてくるのは、経営を開始して、何年か経った後になることが多いです。一棟目で、表面上、上手くいっていると勘違いしてしまい、二棟目三棟目と購入し資産規模を拡大してしまうと、それだけリスクも甚大になる可能性があります。
大きな資産を持つということは、それだけ大きなリスクも伴うことになります。それまでコツコツと築いてきた資産をなくし、
自己破産をするといった最悪のケースも考えられます。リスクを認識せず、業者の甘い見積りに乗るだけでは、いずれ、
大きな失敗が待っているかもしれません。
失敗しない為には、色々な失敗事例について調べ、自身は何をしたいのかといった目標を明確にし、その為に最適な方法で投資をするべきです。甘い威勢のよい言葉に煽られ、大きな落とし穴に落ちてしまわないよう、特に、新築アパートのように大きな金額で投資を始めようとされる方は注意してくださいね。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。
また次回のコラムでお会いしましょう!