【第33回】不動産投資は法人化して節税しよう

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不動産投資コラム(33)

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第33回【法人化して不動産投資で節税をしよう】

【税務署】法人化して節税をしよう

不動産投資において、最も節税効果が高いのが「法人化」による節税です。

法人名義にすることによって、個人の時では適用できなかったさまざまな節税の効果を得ることができるようになり、「賢く稼ぐためのコツ」とも言えます。

本記事では不動産投資により賢く稼ぐためにも有効な「法人名義」での運用方法についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。


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法人化することが不動産投資で最も賢く稼ぐコツ

法人名義にすることで、さまざまな節税効果が期待できます。

一番大きな要素となるのが、個人と法人では適用される「税率」が異なるという点です。

個人での所得税は、所得金額が大きくなるほど税率が高くなる「超過累進税率」が適用されており、一定の所得金額を境に法人の方が税率が低くなります。

例えば、個人の所得税率は最高45%課税されます。住民税10%を加えると、合わせて課税される最高税率は55%となり、半分以上が税金で消えてしまいます。

対して法人で課税される最高税率は33.8%と、個人と比べると大きな税率の差があるのです。


【個人の場合】所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~1,949,000円 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円~17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

※国税庁ホームページ参照



【法人の場合】法人税の実効税率

法人所得額 税率
400万円以下 21.42%
400万円超~800万円以下 23.20%
800万円超~ 33.80%

法人税率は今後もさらなる減税が検討されている一方、個人の税金は今後も増税の傾向が続きそうです。長い期間不動産投資をされてきて収益が増えてきたオーナー様は、うまく節税するためにも法人化を検討しましょう。


法人化することのメリットとは

「収入の少ない家族へ所得分散ができる」「サラリーマン大家の場合は、小規模企業共済に加入できる」「生命保険などを利用した節税策が使える」「赤字決算の場合でも9年間の繰越しができ、売却損益の通算など税制優遇が適用される」など、法人化することで多くのメリットが得られます。

もちろん、法人設立による経費や個人から法人への不動産売却費用、税理士報酬など、さまざまなコストもかかりますので、全体の収入とコストのバランスを見ながら実行することが大切です。

お金の収支を計算。自分に役員報酬を

実際、自営業で年収1,000万円を超えてきた場合には、法人を持つのが基本になっていることもあり、不動産投資によって所得が1,000万円前後になってきた場合には、法人設立を検討するのも良いでしょう。

その際、個人が法人を持つ場合の収入の仕組みとして多く見られるのが、「給与をもらう」というものです。

設立した法人によって、得た収益から個人に対して「給与」という形で報酬を支払うことで、法人にとっては「経費」の扱いになり、個人にとっては所得の分散にもつながります。

不動産投資における「法人化」には合計3つの形態があり、それぞれ「不動産所有法人」「サブリース法人」「管理委託法人」に分かれます。

いずれも不動産投資における収益の大きさや所有する物件の数など、オーナー様の状況によって最適な法人が異なってくるため、状況に応じて専門家に相談してみると良いでしょう。

次の項目では、これら3つの法人化に関しての主な節税の仕組みやメリットデメリットなどを解説していきたいと思います。


「不動産所有法人」で賢く節税する

賢く節税する方法の中で、最も効果的な形態が「不動産所有法人」です。

「不動産所有法人」では、投資先の不動産を設立した法人が所有します。そのため、家賃収入などから得た利益は全て不動産所有法人に入ることになり、ここから個人へ「給与」という形で法人の経営者や家族へ支給していきます。

このやり方では、法人特有の低い税率を適用することができるのが特徴です。

通常、法人化は「1,000万円~2,000万円以上の所得からでしか節税効果はない」と言われていますが、「不動産所有法人」の場合は収益が全て法人のものになり、法人の税率が適合されることで、個人の場合よりも大きな節税をすることができるのです。

また、家賃収入とローン返済金、管理費などの経費を全てまとめて法人の中で計上できるため、個人の確定申告をする必要がありません。そのため、勤務先に住民税額が通知される心配もなく、不動産投資を行っていることが勤務先に知られない、という点も大きな魅力の一つとなっています。

不動産所有法人の注意点としては、「不動産投資を行う初期の段階から法人を設立しておく必要がある」ということです。

法人が所有する物件のため、銀行融資等の申し込みや不動産の売買契約など基本的には法人名義で行う必要があります。以前個人で購入した不動産に関しても、法人設立後に所有権を移すことは可能ですが、その際には個人から法人への「売却手続き」が必要になり、手続きにおける「不動産取得税」や「登記費用」が発生してしまいます。

また、個人で融資の借り入れを行っている場合は、金融機関の名義の変更が必要になります。最近では法人名義での不動産投資への融資も可能にはなってきていますが、まだまだ「融資NG」の金融機関も存在しており、名義変更に多くの労力が必要になってしまうケースもあるため、費用や手間を省くためにも、融資を受ける際にははじめの段階で法人名義にしておく方が無難です。

もし、個人で先に融資を受けている場合は、まずは個人で一括返済をするなどの検討をしてみるのも良いでしょう。いずれにしても、個人から法人への売却の際には、専門家に相談することをおすすめします。


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「サブリース法人」で賢く節税する

サブリースとは「一括借上」のことで、土地や建物の所有は個人のままで、サブリース法人が一括で借上を行い、法人と入居者との間で賃貸借契約を結ぶやり方です。

サブリース法人は、入居者から得た家賃を個人のオーナー様に支払い、その差額分が利益となります。例えば、入居者から100万円の家賃を得た場合は、個人オーナー様に85万円支払い、残りの差額15万円が利益となります。

そして、その差額の15万円に法人の税率が適用され、個人の場合と比べて節税効果が期待できることになるのです。また、個人のオーナー様としても、サブリース法人からの家賃収入や給与という形で所得を分散することができ、節税を行うことができます。

法人化の制度を有効利用。会計事務所の活用も

一般的にサブリース法人の利益は20%前後と言われているため、不動産所有法人のような高い節税効果を期待することができません。

しかし、不動産投資の物件は個人所有のままにできるというメリットがあり、法人設立の初期段階における実績作りという点において、導入しやすいという特徴を持っています。今後不動産所有法人として不動産投資の拡大を計画している人にとっても、まずはじめのステップとして導入を考えてみるのも良いでしょう。

実際にサブリース法人による運営を開始するためには、法人を設立し、契約書の書き換えが必要になります。

【個人-法人】、【法人-入居者】による2通りの賃貸借契約書を作成し、不動産の維持にかかる経費分と入居における管理の経費分を、個人とサブリース法人で明確に分けておくことが大切です。

確定申告は個人と法人で別々に作成しますが、不動産投資における利益は個人だけの場合と比べて同額となります。ただし、法人の利益分には法人の税率が適用されるので、その分の節税を期待できるということになります。


「管理委託法人」で賢く節税する

管理委託法人は、土地や建物の所有は個人のままで、家賃の集金、空室が出た際の募集、清掃などの不動産運営にかかわる管理業務を行う法人です。

不動産管理委託契約を【個人-法人】間で行い、個人オーナー様は家賃収入の一部を「管理料」として管理委託法人に支払うことになります。そのため、家賃収入分は個人オーナー様に全額入り、管理料として支払われた分だけが法人の利益になります。

この管理料の利益分が法人の税率として節税することができ、かつ、個人オーナー様は法人から給与という形でも報酬を受け取ることができますので、所得の分散を行うことが可能になります。

税務上では、管理料はおよそ7%前後が妥当だとされることが多いため、あまり多くの管理料を法人に支払うことは難しくなっています。もし、それより多くの管理料を法人に支払っており、後の税務調査などで認められない場合、追加納税をしなければならなくなってしまうため、注意が必要です。

昔から「家賃収入が2,000万円以上、利益が1000万円以上じゃないと意味がない」と言われるように、あまり高い節税効果を期待することはできませんが、これは実際に多くの地主さんの間でも行われてきた節税方法です。

導入が比較的簡単であることや、個人所有の物件が多いこと、借り替えができず不動産所有法人の設立が難しい場合などを考えれば、管理委託法人を利用する価値は十分にあると言えるでしょう。

実際に管理委託法人による運営を開始するためには、法人を設立し、個人から法人へ管理料を支払います。その際は、一般的な7%前後の設定などを念頭に管理料を決めるようにしましょう。

確定申告の際には、個人では管理料分を経費に、法人では管理料分を売上とします。個人の場合、管理料を高く支払うことによって赤字になってしまうと、次の融資の際の評価が悪くなってしまいますので注意が必要です。


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