不動産投資コラム(50)
最新の不動産投資市況情報や、中古のワンルームマンションなど、
不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第50回【住宅ローンを組む際は金利上昇時のシミュレーションをしっかりと】
ローンは長期で組み繰上げ返済を利用するのが基本
不動産投資で物件を購入する時はローンを組み、家賃収入の一部はこのローンの返済に充てられます。
不動産投資を始める時は、家賃収入から経費を差し引いて利益が出るようにシミュレーションを行ってから取り組むのですが、長期間不動産投資を行っていれば、この経費が予測を上回るリスクがあります。
ローンの金利上昇はそのリスクの1つで、不動産経営の収支に大きく影響を与えます。
ローンを受ける時は、金利上昇や家賃の値下がり、物件の修繕費用など、あらゆるリスクを想定し、それでも毎月のキャッシュフローが出るような計画を組まなければなりません。そして、キャッシュフローが出ないと予測した物件は購入すべきではありません。
ローンは、早く返済すればするほど金利分も含めた総返済金額を抑えることができますが、最初から短期間でローン契約をしてしまうと不測の事態に対処できなくなる恐れがあります。
ローンは、できるだけ長い期間融資を受けられるように契約し、余裕ができれば繰り上げ返済を繰り返すことで返済を進めていくのが得策と言えます。
ローンの変動金利の特徴と注意することは
金融機関で取り扱われているローンの多くは、「変動金利型」のローンです。「変動金利タイプ」のローンは、一般的に年2回金利の見直しを行っています。
ただし、多くの金融機関ではこの変動金利型を利用した場合、返済額を5年間変えない「5年ルール」を設けています。
つまり、5年の間に合計10回の金利見直しが行われているにも関わらず、毎月の返済額は変わらないということです。
また返済額が見直されて増額となっても、従来の1.25倍というルールがあり、借りた人の負担が急に増えないような仕組みになっています。
注意が必要なのは、返済額を変えないようにするために、返済額に占める利息と元金の割合が調整されているということです。
もし金利が上がれば、返済額に占める利息の割合を上げます。つまり元金の減るスピードが遅くなります。
ですから、金利が上昇すれば、繰上げ返済を行うなどして元金をできるだけ減らすようにしなければなりません。
日本における金利の見通しについて
現在、日本では低金利の時代が続いています。
ローンの変動金利も、0.5~0.8%の範囲が主流となっています。
消費税の増税が延期されたものの、経済成長率の見通しは1%以下となっており、金利上昇にはつながりにくいことが予想されています。
金利は海外の経済情勢の影響も受けますが、海外の景気がよくなれば日本の金利も上昇圧力をうける可能性があります。
ただし、現在のところ諸外国においても特に目立った金融緩和や財政政策は取られておらず、しばらくは日本の金利に大きな影響を与えることはないようです。
魅力ある不動産ローンを上手く選ぶ
不動産投資を進める中で、ローン選びはオーナー様の収支に大きな影響を与えます。
現在、金融機関が取り扱うローンはさまざまな種類があります。利率だけでなく、固定金利期間を設定できるもの、資産があれば金利1%以下のフルローンOKや、鉄筋コンクリートなら築40年でも最長30年融資可能などがあります。
不動産投資は、キャッシュフローを毎月出せるような物件を買い、賃貸経営をすることがポイントです。 自己資金を用意するだけでなく、空室リスクが低い物件を見つけることや毎月確実に収益が上がるような計画を、リスクを考慮しながら立てなければなりません。
ローン選びと金利上昇リスクへの対策は、賃貸経営をスタートした時から綿密にシュミレーションしておかねばなりません。
現在、変動金利型のローンを利用しているなら、常に経済情勢に目をむけて、金利が上昇した時の繰上げ返済やローンの借り換えも想定し、情報を集めて、いざというときにはすぐに行動に移せるように準備しておきましょう。