不動産投資コラム(52)
最新の不動産投資市況情報や、中古のワンルームマンションなど、
不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第52回【物件選びで注意したい、敬遠されがちな3つの特徴】
空室リスクが高まる物件のタイプとは
物件選びにおいて、何もかも条件が整ったパーフェクトな建物はありません。
投資家は、物件選びにおいてできるだけ条件が良いものを探しながら、デメリットがあれば、どのように対処していくかを考えなければなりません。
物件のデメリットは、家賃を値下げすることで対処できることもあれば、全面リフォームで解決できるものなど、いろいろな手段を使って乗り越えることができますので、投資家には、デメリットがある物件でも積極的に投資活動を行い高い利回りを達成する姿勢が求められます。
とはいえ、全く入居の見込みがない特徴を持った建物もあります。
バス・トイレが一緒になった部屋、駐車場や駐輪場がない物件、店舗や事務所が空いている物件は、入居希望者が少ないため購入に際して注意が必要です。
3点ユニットバスは敬遠される
3点ユニットバスとは、ビジネスホテルのシングルルームに多い、ユニットバスのことで、風呂と洗面とトイレが一緒になっています。
ホテルで取り入れられたことで普及し、平成の始め頃にこのような物件が多く立てられました。
3つを一緒にすることで、その他の部屋の面積が大きくとれるメリットがありますが、現在はこのタイプを好む人は少なくなっています。
3点ユニットバス物件は、室内リフォームに特徴を持たせるなどして価値を高めても空室リスクが高い物件なので、初心者が不動産投資にチャレンジする物件としては適していません。
駐車場や駐輪場がない物件
駐車場は、エリアによりニーズが変わります。駅から近いのに、駐車場が全くないため入居希望者がないこともあります。
賃貸住宅を利用する人は、学生や独身者、新婚夫婦、ファミリー世代などさまざまですが、ほとんどの人は、通勤、通学、生活のためにバイクや自転車、車のいずれかを所有しているものです。
仮に、このような人たちが、駐車や駐輪のためのスペースがない住居に、家賃が安く駅から近いからという理由で入居したとしたら、建物周辺に不法駐車、不法駐輪する可能性もあります。
物件のオーナーとしては、近隣住民の迷惑を考えればこれを放置するわけにはいきません。責任を持ってこの問題に対処できるよう駐車場や駐輪場の確保ができれば問題ありませんが、購入前に、これらのトラブル対策がとれるかどうかを考えなければなりません。
駐車場や駐輪場の建設コストをかけても、入居が見込めて赤字にならないような物件かどうかを見極めることがポイントになります。
都心立地であれば、車を持たない方も多いので、駐車場は必要ありません。立地との兼ね合いで必要かそうでないのかしっかり見極めましょう。
店舗や事務所が空いている物件
店舗や事務所が1階部分にあり、2階以上が住居という物件があります。このような物件は、住居のみの物件と比べて不動産経営のハードルが高くなります。
まず店舗や事務所は、空室リスクが居住用物件より高くなります。そして賃料も需給のバランスによって変動が激しく、5割から10割まで変化することもあります。もちろん大幅に値上げできる可能性もあります。
また店舗や事務所のテナント募集は、居住者を募集するよりも難しくなります。
例えばコンビニエンスストアを誘致したいと思っても、出店の条件が厳しく断られることもあり、次のテナント募集を行うのに時間がかかるデメリットもあります。
最大のリスクは、金融機関からの融資条件が厳しいことです。店舗エリアがある物件に対して、金融機関はその部分の担保掛け目を低めに設定して審査をする傾向があります。それゆえ、希望する融資額が受けられない可能性もあります。
またテナントに入居があれば、その属性や経営状態についても詳しく調査が行われます。店舗専用や事務所専用の1棟ビルへの融資を行わない金融機関もあります。
このように、店舗・事務所への物件は不動産投資初心者にとってはリスクが高くなりますが、テナントが有利に物件を借りられるような条件を整えることができれば、安定した入居が期待でき、収益アップに大きく貢献するメリットもあります。
不動産投資に向かない物件の特徴を紹介しましたが、さまざまな角度から物件を調査し分析して、勝てる見込みがあると判断できれば購入にチャレンジするのも良いかもしれません。