不動産投資コラム(57)
最新の不動産投資市況情報や、中古のワンルームマンションなど、
不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第57回【不動産投資では返済を早めるよりも手元の資金確保が重要!】
不動産投資を安全に行うには手元の資金確保が重要
不動産投資では、どの物件にいくら頭金を用意すればよいのかを考え、購入後は毎月の家賃収入を受け取りながらローンを返済し、管理費用もまかなうといったお金のやりくりが必要になります。余裕があっても突発的なトラブルに備えてある程度の現金は残しておきます。
そして繰り上げ返済をして残債を減らすことを優先するより、余剰資金は次の不動産投資に優先的に回して投資規模を拡大し、より多くの現金収入を得るように運用していきます。
ローンはどんな時に繰り上げ返済をすべきか
不動産投資ではなく、自分で住む家を購入する時は、できるだけ多くの頭金を用意し、余裕ができれば繰り上げ返済をして、残債を減らす努力をすべきと言われています。
これに対して不動産投資では、物件購入は「投資」と考えているため、投資で得た現金(家賃収入)で繰上げ返済をしてローンを減らすことを優先するよりも、その資金を使って次の物件を購入し投資規模を拡大して、より多くの現金収入を得るようにしていきます。
そうは言っても、ローンを繰り上げ返済すべき時はあります。そのために目標の設定が、必要です。自分の目標キャッシュフローを設定し、家賃総額が目標のキャッシュフローに達したら、繰り上げ返済を始めるのが好ましいといえます。
現在の不動産投資向けローンは変動金利制のものが多く、ローン開始から数年で金利が変更になることがあります。
金利が変更され利率がアップすればオーナー様の負担も増えますが、この時毎月の返済額が変わらなければ、返済額に占める利息分の金額が増額されており、元金が減るスピードが遅くなっています。
金利が何回も変わってそのつど上昇すれば、その分だけ元金が減るのが遅くなります。こんな時は繰上げ返済を行って、元金の残額を減らすべきです。
ローンの繰上げ返済をする時は、物件の突発トラブルに備えて、手元にある現金の全額を繰り上げに回すのではなく、ある程度の金額を置いておくようにします。
このようなトラブル対処のための費用や次の物件への投資金額を予め確保してから、ローンの繰上げ返済を行って下さい。
2回目以降の融資を受けるために必要なことは
複数の不動産経営を行っているなら、投資額がすでに数億円に達していることもあります。こんな場合は、手元の現金の一部を使って繰り上げ返済を行って下さい。
不動産物件という資産を多く持っていても、負債額が多いとリスクの高い借入者とみなされ、融資がおりないことがあります。
特に2回目以降の物件投資においては、1件目の投資状況を厳しくチェックされますし、ローンの残額が多ければ、家賃値下げといったちょっとしたトラブルで、経営が赤字になるとみなされて、融資の審査がおりなくなります。
また、次に投資をしたい物件がたとえ高利回りであっても、木造中古で耐用年数が短ければ、融資をしてもらえないという事態にも陥ります。
物件の数が増えるに従って、融資の審査基準も厳しくなるため、オーナー様においては収益を上げることを優先しつつも、資産価値の高い物件を選んだり、残債額のコントロールなどを適切に行っていかねばなりません。
リスクを避けながら状況に応じた判断を
経済情勢や金利の動向をうかがいながら、物件を増やしてより多くの現金収入を得るか、すでにある物件のローンの繰上げを行って金利上昇や空室リスクに備えるかを判断するのは、オーナー様です。
物件を増やすかローンを減らすかは、すでに所有している物件のトラブルに対応できる資金を温存しながら、優先順位を決めて進めて下さい。