不動産投資コラム(66)
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不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第66回【繰り上げ返済で投資を加速させる!】
成功する『繰り上げ返済』の仕方とは?
不動産投資を成功させるための最大のポイントは、定年までにローンを完済させることです。
そこで今回は、定年前にローンを完済するために欠かせない『繰り上げ返済』についてご説明致します。
繰り上げ返済をざっくり捉えると、毎月決められた返済額に加えて、ローンの一部を繰り上げて返済していくこと。
住宅ローンは、まず金利から支払っていくシステムになっているのですが、繰り上げ返済をすることにより、元金を減らすことができるのです。利息は元金に応じて減っていくので、結果として返済総額が少なくなるのです。
しかし、「繰り上げ返済」とひと言でいっても、その方法は大きく分けてふたつのパターンがありますので、ここからは繰り上げ返済の種類についてお話します。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」がある
基本的に繰り上げ返済には、毎月の返済額は変えずに返済期間を短くする「期間短縮型」と、返済期間は変えずに毎月の返済負担を軽減する「返済額軽減型」の2種類があります。
【期間短縮型】
「期間短縮型」は繰り上げ返済することにより、当初の予定より返済期間を短縮するというものです。この期間短縮型を選択して繰り上げ返済を行った場合、毎月の返済額は変わりませんが、返済期間が短くなるため、支払う予定だった利息が軽減されます。
【返済額軽減型】
「返済額軽減型」は、期間を変えずに毎月の返済額を減らす方法です。
同額の繰り上げ返済をしたときの利息軽減効果は「期間短縮型」の方が大きいのですが、毎月の返済額が下がるため、教育資金がかかる時や家族の誰かが仕事をやめて収入が減る時など、住宅ローンの負担が大きくなることが予想されるのであれば、家計を安定させるのに有効です。
さて、繰り上げ返済の種類についてお話してきましたが、これから不動産投資を始める皆さんは、この二つの選択肢のうち、どちらを選択するべきでしょうか。
一見、期間短縮型の方が60歳の定年までにローンを完済するのに良い選択のように見えます。
事実、「期間短縮型」の方が、銀行に支払う利息の軽減効果が大きくなります。(※この場合の繰り上げ返済による利息軽減効果は、実施する時期や金利、返済期間などで異なってきますので注意が必要です。)
しかし、不動産投資という視点で考えた場合、ローン完済以降も修繕費等の経費が発生することがあるため、物件の資産価値を保つためには費用を確保する必要があるのです。
不動産投資は、キャッシュフロー(年間家賃収入からローン・管理費修繕積立金等の支払いを引いたもの)を重視するため、転ばぬ先の杖という考え方が必要になのです。
よって、毎月の支払い額を減らし、家賃の下落や修繕等のイレギュラーなケースに対応するための資金を確保できる「返済額軽減型」を選択した方がより賢い選択だといえます。
また、医療の進歩などにより寿命が延び、老後の人生が長くなってきた昨今、自身の親世代の介護が必要になった場合もその期間も長くなることが予想されます。
想定外の事態に陥った時、毎月絶対に支払わなくてはならない金額は少なければ少ないほど助かるのではないでしょうか。
出来るだけリスクを抑え、失敗しない『不動産投資』をしたいとお考えの方には、より現実的な方法を選択していただきたいと思います。