不動産投資コラム(74)
最新の不動産投資市況情報や、中古のワンルームマンションなど、
不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第74回【素人は木造アパートに手を出すべきではない】
「人生90年」時代の到来です。現在の年齢が35歳の方は、90歳となる55年後もしっかりとした家賃収入を得られなければなりません。
仮に木造の新築アパートを不動産投資の手段として選んだ場合、55年後もしっかり家賃が取れるのでしょうか。
築30年ぐらいになれば建物は古くなり、修繕も必要です。はたまた、売却や、建て替えが必要かもしれません。その時に売却や修繕に対応できるスキルがなければ、老後の負担になるだけです。
これは、不動産業者レベルの仕事ですので、素人は手を出すべきではありません。
一方で、RC(鉄筋コンクリート造)のマンションなら、室内をしっかりリフォームしていれば入居者に住んでもらえることが証明されています。
また、55年後にきちんとした入居需要がある立地なのかどうかを考えることも必要です。都心であれば、よほどのことがない限り賃貸需要はなくなりません。
このように、これからマンション経営を始める初心者は極力リスクを減らし、長期で安定した収益が見込める物件でマンション経営を行う方が望ましいのです。
運用が複雑にならない区分ワンルームマンションなら大幅にリスク回避ができる
不動産投資初心者は、運用が複雑にならない物件を選ぶことでリスクは大幅に回避できます。
区分ワンルームマンションは、オーナー様が見るべき範囲は部屋の中だけになりますので、建物の管理も物件ごとに組成した管理組合を中心に、建物管理会社がオーナー様の意向をまとめて共同で管理することができます。ですから、修繕が必要になった場合においても負担は少額になるケースが多いのです。
借り入れもサラリーマンであれば、特別な知識は必要ではないこともポイントです。金融機関が低金利で融資してくれ、ローンを60歳までに返済することができれば、定年後は毎月家賃収入が安定して入る仕組みを手に入れることができるようになります。
抱えるべきリスクは自分が必要な家賃収入の分だけ物件を購入すること
老後破産を回避するためではあっても、自分の必要とする家賃収入の分だけ物件を購入するというリスクは負わなくてはなりません。
毎月5万円~40万円の収入を得るためには1000万円~1億円弱の金額で物件を運用する必要があります。それが、抱えるべきリスクです。これらの金額を運用することで老後破産に陥らない生活環境が作れます。
一方で、数千万円単位の資産運用を行うわけですから、物件選びは慎重にならざるを得ません。しかし、老後の対策を預貯金だけで行うより、マンション経営の方がリスクは少なく、多くのメリットを将来において得ることができるのです。
マンション経営は良くも悪くも賃料がすべて
ゆとりある老後の生活費は月35.4万円と言われています。ここから60歳以降の世帯の可処分所得月17.6万円を引くと、月17.8万円の不足がでます。仮に85歳まで生きた場合、25年×12カ月×月不足分17.8万円=5340万円の不足が見込まれます。
そこで、40歳から中古ワンルームマンションを2戸経営するとします。物件価格2450万円×2戸、家賃10万2000円×2戸、管理費・修繕積立金9000円×2戸、賃貸管理料3240×2戸、毎月のプラス分8601円×2戸=1万7202円、金利2%とすると、手取り家賃は8万9760×2戸=17万9520円、60歳の時の残債は1260万円×2戸=2520万円となります。
60歳時の残債2520万円を完済すると、手取り家賃17万9520万円がまるごと確保できるので、老後の不足分月17.8万円をカバーすることができるようになるのです。
つまり、老後不足分の5340万円を約半分の2520万円で対策することが可能なのです。40歳から60歳の20年間の空室や修繕に対しては、毎月のプラス分である1万7202円×12カ月×20年=約412万円で十分対応できるでしょう。
マンション経営はこのように良くも悪くも賃料がすべてなのです。都心の物件であれば、高い入居需要が担保になり、金融機関も安心して融資をしてくれるでしょう。
金融機関は何千人、何万人という不動産投資家に融資をしているため、失敗しそうなプランには融資しません。もし、1%台の低金利で融資を受けることができれば、それは金融機関が安心してお金を貸せるプランだということです。