不動産投資コラム(75)
最新の不動産投資市況情報や、中古のワンルームマンションなど、
不動産投資に関するコラムをご紹介いたします。
第75回【法改正に注目!不動産投資の融資を1%台で受けるコツ】
マンション経営は「立地さえ間違えなければ、ほったらかしにしておいても大丈夫」と言えるほど、手間ひまがかからない投資です。
サラリーマンが行う資産運用において、一番の天敵は「手間」です。株やFXなどの投資はチャートを気にしたり、売り買いの手間などが発生したりするため、サラリーマンを続けながら行うのは手間だというオーナー様も多くいます。
一方で、サラリーマンと不動産投資家のダブルワークで時間が足りなくなって困っているオーナー様がいるのも事実です。時間があれば回避できる問題も時間が足りないがゆえに解決できないことが一番大きな問題になります。
しかし、もともと手間が掛からない物件であれば、「ほったらかし」にすることも可能なのです。都心の中古ワンルームマンションを購入することは、投資を成功させるポテンシャルを秘めています。
そして、老後破産を防ぐためのワンルームマンション経営は、なぜ都心がいいのか。それは、3つの法改正により、今まで以上に都心のワンルームマンション経営の魅力がアップしているからです。
不動産市況は、法令に大きく影響を受けます。ですから、その時々の法令に合わせた戦略が必要になります。近年では、3つの法令改正があった影響で、都心のワンルームマンションを巡る状況が変わってきました。その点について説明したいと思います。
3つの法令改正で都心の魅力がアップ
1つ目の法令改正は、アベノミクスによる国家戦略特別区域法の施行です。
後に触れる「民泊条例」もこの法律を受けてのものですが、東京都をはじめとして、この法律に基づき、様々な再開発プランを実施しています。
「東京発グローバル・イノベーション特区」「東京国際金融センター」といった計画を実施しており、具体的なエリアも明示し、再開発を実行中です。
こういった再開発は都心のワンルームマンションの資産を上げるもので、オーナー様にとっては好影響が期待できます。
2つ目の法令改正は、今話題の「民泊条例」です。
まだ施行されて間もないので、影響は未知数ですが、具体的に法整備が行われれば、賃貸市場に及ぼす効果は計りしれません。賃貸市場から数千~数万戸単位で、ホテルに転用される物件が出れば賃貸市場に与える影響が大きくなるのも必然です。そのポテンシャルだけで、不動産投資市場が盛り上がっているのも事実です。
3つ目の法令改正は、2015年1月1日に行われた相続税の改正です。
この日を境に相続税の課税が強化され、一方で贈与税の減税が実施されました。この改正により、都内で亡くなる方の半分が相続税課税対象者になると言われています。そこで、すでに相続税回避のために不動産投資を行う方が増加しています。
ほかにも2020年の東京オリンピック・パラリンピックやそれ以降を念頭に置いて、アジアにおけるビジネスの拠点として東京の再開発を推進するための法令改正が行われている最中です。2016年12月に可決されたIR推進法もそのひとつになります。
法令改正で変わる金融機関の融資スタンス
このような法令改正の影響もあり、金融機関の融資に対するスタンスも変化してきました。購入する人と販売する人を結ぶ金融機関のスタンスこそが、不動産投資市場に一番の影響を与えます。
なぜなら、マンション経営を始めるに当たり、ほとんどの方が融資を受けてスタートするからです。金融機関が融資しない限り、ほとんどの方はマンション経営ができません。融資をする方の金融機関も、融資したオーナー様が、マンション経営で失敗すれば貸したお金が返ってこないことになります。このような事態は、金融機関としては一番避けなければならないことです。
つまり、マンション経営を始めるに当たり
「①マンション経営の目的」「②購入する物件のエリア」「③融資を受けるオーナーの資産背景」「④失敗しないプラン」
この4つがそろって初めて融資を受けることができます。
この4つの条件をクリアした上で融資を受けたオーナー様のマンション経営は、ある意味、金融機関から貸し倒れのリスクが少ないというお墨付きを得たプランになります。
反対に、金融機関は、失敗しそうなプランや物件には決して融資は行いません。株やFXに融資しないのは、融資したお金が返済される見込みが少ないからです。金融機関から、低金利で融資を受けられたオーナー様は、安心してマンション経営を行える環境を手にしたとも言えるのです。
1%台の低金利で融資を受ける条件の1つ目は担保割れしない金額の融資
不動産投資を行う人に融資をする金融機関は多々ありますが、すべての物件に対して低金利で融資をしてくれるのでしょうか。
答えは「ノー」です。
1%台の低金利で融資を受けることのできる方法は、主に2つのパターンになります。
1つは、金融機関が担保割れしない金額しか融資しないパターンです。この場合、万が一、融資した人が不動産投資に失敗した際に、担保である物件を現金化することによって、金融機関の損失回避ができるため、低金利で融資してくれるのです。
ある意味これは、不動産投資の成否を判断しているのではなく、最悪失敗した場合でも銀行に痛みが及ばないために融資が受けられるということです。
これはプロパーローンと呼ばれるメガバンクや地銀、信金が不動産投資に融資する際の一般的なやり方で、そのため融資を受けられるのは、失敗しても問題のない資産背景のある方に限定されます。
1%台の低金利で融資を受ける条件の2つ目はサラリーマンの年金対策のマンション経営
もう1つは、サラリーマンや公務員が、老後の年金対策のために、地域限定で行う新築もしくは築20年以内のワンルームマンションに対する融資です。その地域とは首都圏なら東京23区プラス横浜市、川崎市です。関西なら大阪の中心部になります。
つまり、サラリーマンや公務員が、老後の年金対策のために行うマンション経営には、1%台の低金利で融資するということです。今まで築20年以内(1995年築以降)のワンルームマンションは、老後の年金対策として金融機関が融資してきた実績があります。
金融機関は、その実績の中で、融資していい物件とそうでない物件の見極めをし、ノウハウを築いた結果、2000年代前半は、3%を超えていた融資金利も、現在は1%台まで下がりました。
これは長期金利が下がったこともありますが、案件数が増えてノウハウが蓄積されたことも大きな要因になっています。その実績とノウハウのおかげでマンション経営は、金融機関にとって貸倒れリスクが少ない資産運用と判断されているため、1%台の低金利でも融資できるのです。
金融機関はリスクの大きい不動産投資への投資は行わない
逆に築年数が20年を超えて古くなったワンルームマンションや中古のアパートなど、不動産投資初心者が行うには、リスクの大きい不動産投資には積極的に融資はしていません。
融資するにしても金利が高めに設定されるか、多額の頭金が要求されます。金利には、当然貸し倒れのリスクも含まれているため、安全の尺度として融資金利を目安にすることは、1つの判断材料と言えるでしょう。
不動産投資の失敗を回避したいオーナー様、融資したい金融機関、安定した家賃供給を可能にする好立地の物件を管理し、運用のサポートを行う不動産会社、この三者の目的が一致すれば、マンション経営スタート時点でのリスクは大幅に軽減されるのです。