FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第1回】金融商品のリスク(1)
◆金融商品のリスク◆
金融商品を購入する際、「それによってどれくらい収益(リターン)が得られるか」に、つい目を奪われがちです。しかし、実際に投資をしてみると、期待通りの収益を得られなかったり、運用している途中で現金に換えようとしても思うように換金できなかったりといったことが起こりえます。
「こんなはずではなかった」と悔しい思いをすることもあるかもしれません。
このように、期待通りの結果になるとは限らない「不確実性」を、資産運用の世界では収益の変動幅(ブレ幅)のことを「リスク」といいます。
運用を始める前には、まず金融商品の持っている様々な「リスク」を正確に把握する必要があります。この金融商品のリスクについて、2回に分けてお話ししたいと思います。1回目は、「価格変動リスク」と「金利リスク」についてです。
★☆★☆★☆★☆★≪価格変動リスク≫★☆★☆★☆★☆★☆
価格変動リスクとは、債券や株式等の価格そのものが変動(文字どおりな感じですが)することをいいます。価格が下落する場合だけでなく、価格が上昇する場合もリスクととらえます。安いときに買って、高いときに売れば利益が出ますし、逆の場合には損失が出ます。高値と安値の幅が大きいものほど、リスクが大きいということになります。
★☆★☆★☆★☆★≪金利リスク≫★☆★☆★☆★☆★☆
一般的に、国債や社債といった債券は、株式ほど大きな収益の変動はありませんが、日々、価格変動します。債券の価格を変動させる主な要因は金利の変動です。
債券は満期償還日まで持っていれば元本は返ってきますが、償還日前に売却する場合には、そのときの市場金利等によって決まる価格(時価)が上下します。一般に、市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇します。
市場の金利が上昇して、それに合わせて高い利率の債券が新たに発行されると、既に発行されている利率の低い債券は、価格を“値下げ”しない限り買ってくれる人がいないため、価格は下落することが想定されます。逆に、市場金利が低下して、低い利率の債券が新たに発行されると、既に発行されている利率の高い債券の人気が高まり、価格は上昇することが想定されます。