FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【氏家祥美 第6回】3つの輪でお金を貯める-前篇
頑張って働いている人の家計診断をさせていただくと、資産のほとんどが「貯蓄」という方が少なくありません。働き始めでまだ貯金が少ないうちはそれで十分なのですが、貯蓄残高がある程度増えてきたら、貯蓄以外で貯める方法も考えていきましょう。
私は「貯蓄」「保険」「投資」の3つの輪でお金を貯めることをお勧めしています。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪一つ目の輪 貯蓄≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最初に始めてほしいのがやはり「貯蓄」です。貯蓄のいいところは、いつでも出し入れできることと、元本割れしないこと。「骨折してしばらく入院することになった」「パソコンを落として買い替えることに!」など、急な出費に備えるにはすぐに引き出せる現金が一番です。まず50万円は、リスクに備えるお金として現金や普通預金で用意しておきましょう。
ほかにも、2-3年以内に使うことが決まっているお金、元本割れしたら困るお金は、手堅く預貯金で用意しておきます。たとえば、来年挙げる予定の結婚資金、資格取得のための費用などは、減っては困るお金です。こうしたお金は定期預金やネット定期なども利用しながら確実に貯金で貯めておきましょう。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪二つ目の輪 投資≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
2つ目の輪が「投資」です。投資のいいところは、増える期待が持てるところです。低金利の今、貯金だけではほとんど増やすことができませんが、投資はそれを補完する可能性を持っています。若い方にとっての老後資金作りや余裕資金の運用には、投資が向いているでしょう。
この半年余り、アベノミクス効果で円相場が20円以上の円安に、日経平均株価もみるみるうちに1.5倍以上の高値となりました。半年でお金が1.5倍に増えるなんて貯蓄では考えられませんし、相場の乱高下を利用してうまく売買できた人は驚くほど資産を増やすことができたはずです。投資にはそんな面白さがあります。
ただし、株や外貨の売買でそこまでしっかりと儲けるには相当な熟練が必要です。それに熟練を積んだ人でも1つ打つ手を間違えれば、財産を一瞬で大きく失うリスクを伴います。手堅い資産形成が目的なら、投資信託や外貨MMFを使って、毎月一定額をコツコツと買い増していく投信積立をお勧めします。この方法なら、安いときにはたくさん買い、高くなたら少なく買うため、購入額を平均化することができます。
お金を増やす3つの輪、3つめの「保険」については、また次回ご案内します。