FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第16回】世代別マネープランニングと必要な保障③家族成熟期、シルバー期
◆世代別マネープランニングと必要な保障③家族成熟期、シルバー期◆
前回に続き、世代別のマネープランニングと保険を検討する上での基本的な考え方についてお話ししたいと思います。今回は、ファミリー成熟期(50歳代)とシルバー期(60歳代~)について見ていきます。
①ファミリー成熟期(50歳代)
子供の教育費が峠を越えると、ここから退職までが本格的な老後への準備期間となります。この時期に、どの程度準備できるかによって、老後の生活は大きく変わってくるといえます。
まずは、老後のライフスタイルについて夫婦でよく話し合い明確にした上で、必要となる資金(支出)と公的年金や退職金の受給額などの収入について目安をたてるといった作業を行います。そこで、不足が生じる場合には、それを補うために、資産の運用や60歳以降も働くといったキャリアプランを見直すことなどによって、何らかの収入を得る工夫が必要になります。
★☆★☆★☆★☆★≪具体的な方法は?≫★☆★☆★☆★☆★☆
最低限必要な生活資金については、円建ての定額型の個人年金保険など安定運用型商品を、ゆとり資金については株式投資信託や変額個人年金保険といった積極運用型商品、不動産投資などでカバーするようなイメージで考えると良いかもしれません。
また、住宅ローンを抱えている場合には、繰り上げ返済や借り換えといった住宅ローンの見直しを検討するとよいでしょう。特に、繰り上げ返済については、まとまった資金の活用手段としては有効といえます。
保険の加入に際しての保障設計については、ご夫婦が生きていくための保障に重点をおいていくことになります。この場合、医療保障については、換金性の高い金融商品の活用など保険以外の手段も含めて検討するとよいでしょう。
②シルバー期(60歳代~)
退職後は通常、年金などによる収入とそれまでの蓄えに頼って生活していくことになります。基本的な生活資金、病気やけがによる入院などに備える資金(緊急時資金)、ゆとりある生活を送るための資金(ゆとり資金)、子供に遺すお金などと分けて考えた上で準備手段を検討するとよいでしょう。
基本的な生活資金や緊急時資金については、換金性の高い商品や安定運用型商品で運用を行うのが基本です。一方、ゆとり資金や子供に遺す資金については、リスク許容度によりますが、一部を積極運用型商品などで運用するとよいでしょう。