FPコラム【井上光章 第1回】
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【井上光章 第1回】消費税増税とマイホーム購入(1)
◆2014年4月から消費税が8%に上がります。◆
2014年4月から消費税が8%に上がります。マイホームの購入については「引渡し」が2014年4月以降になれば8%になる(3月末までであれば5%)というのが原則です。
「引渡し」というのは「鍵がもらえる」ということ。「鍵がもらえる」のは、住宅ローンの手続きが終わり、お金が金融機関から売主(ハウスメーカーやマンション販売会社)へと移動し、その結果所有権が売主から買主(みなさん)へと移り、買主と金融機関の間で抵当権の設定がなされた後となります。
この引渡しが2014年4月1日より前なのか後なのかによって消費税率が決まるのですが、引渡しが2014年4月以降になっても、5%の消費税が適用される例外があります。それは「引渡しが2013年4月以降であっても、注文住宅やリフォームの請負契約を2013年9月末までに行っていれば、消費税は5%が適用される」というものです。
★☆★☆★☆★☆★≪購入時期と引き渡し時期の注意点は?≫★☆★☆★☆★☆★☆
引渡しは、天候などの影響で遅れる可能性がないわけではありません。これから注文住宅を建てたいという方で、消費税を5%にしたければ、2013年9月までに家作りの契約(建築請負契約)をしておくことが望ましいと言えます。新築マンションの購入契約の場合は、引渡しが2014年4月以降ならば、契約を2013年9月までにしても消費税は8%になってしまいます。ただし、内装などを変更する工事を行う場合(壁や扉などを買主の好みによって決められるような場合)は、9月までに契約をすれば、引渡しが4月以降でも消費税は5%になります。新築マンションの購入を検討されている方は、検討している物件が消費税5%の対象になるかどうかは確認しておいた方がよいでしょう。
なお、消費税がかかるのは「建物のみ」という点は注意が必要です。弊社に相談に来る方でも、土地にも消費税はかかると思っている方は少なからずいらっしゃいます。「消費税は建物価格のみにかかり、土地にはかからない」ということは覚えておきましょう。
さて、消費税の観点から見れば、できれば5%のうちに購入した方が有利なのは当然ですが、マイホームの購入の場合、実はそんなに単純ではないのです。消費税が8%になると「住宅ローン減税」は拡充されるからです。マイホームを購入するなら、消費税増税前がよいのか、消費税増税後(住宅ローン減税拡充後)がよいのかについては、次回まとめたいと思います。