FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第29回】シンガポール銀行口座開設の体験談③
Aさんは翌日の午前中、C銀行の昨日とは違う支店に向かいました。
(昨日は開設できなかったけど、別の支店なら大丈夫なはずだ)
別のツアー参加者が貯蓄目的で開設に成功した銀行を選び、
そこでもう一度チャレンジすることにしたのです。
同じく開設できなかったEさんと一緒に中に入って書類を用意して
「銀行口座を貯蓄目的で開設したいんですけど」
と伝えるとしばらく待たされることになりました。
★☆★☆★☆★☆★≪またしても開設できない?≫★☆★☆★☆★☆★☆
ドキドキしながら待っていると、しばらくして職員がやってきて
「残念ながらお客様は当銀行で口座を開設することはできません。」
と言われたのです。
「どうしてですか?友達はここで開設できたんですよ!」
「そう言われましても・・・総合的な判断で決めました。」
昨日と同じように、いくら説得しようとしても応じてはくれませんでした。
一緒にいたEさんも同じく開設できず手ぶらで出ていきました。
(支店長の判断で良いように変えられているんじゃないのかな。)
Aさんはそう思いながらあきらめの文字が頭に浮かび始め、その場に座り込んでしまいました。
「もう一つ別の支店に行ってみようか。」
Eさんに背中を押されて渋々別の支店まで移動することになりました。
(もう、ダメなのかな。開設できないまま日本に帰ることになるかもしれないな。)
そう思いながらも、そこの支店で同じように書類を用意して職員にお願いしました。
するとそこの支店では無事に開設することができたのでした。
目的が貯蓄であることは変わらなかったものの受け入れてもらえたのです。
★☆★☆★☆★☆★≪ついに開設できた!≫★☆★☆★☆★☆★☆
Aさんは肩の荷が下りたように両手でバンザイをして、
嬉しそうな顔でC銀行のキャッシュカードを受け取りました。
「海外で銀行口座を開設するのは、こんなに大変なことなんだね。」
AさんはEさんと成功の余韻に浸りながら帰っていきました。
苦労して開設しただけあって喜びもひとしおでした。
★☆★☆★☆★☆★≪まとめ≫★☆★☆★☆★☆★☆
いかがでしたでしょうか。
インターネットや書籍で海外銀行の口座開設について調べることはできますが、
実際に現地へ行って体験しないとわからないこともいっぱいあるのです。
今回の口座開設で事前に調べた必要な持ち物は、
・口座残高証明書
・住所確認書類
・本人確認書類(パスポート)
だったのが、体験談を元にさらに万全を期すためには、
・目的が配当金受取の場合→受取証明書(英語)
・目的がビジネスの場合→名刺(英語)
を事前に用意したほうが良いとわかったのでした。
インターネットや噂で広まる情報と実体が違うことは良くある話なので、
自分の目で見て確かめたものを信用することが大事かもしれません。