FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【氏家祥美 第21回】銀行の会員向けサービスを使えば手数料がお得に
お金を引き出したり、振り込んだりするATMの手数料を見直す銀行が相次いでいます。預金金利がなかなか上昇しない中で、手数料の負担増はできるだけ避けたいところ。各行の手数料見直しの動向と、手数料を抑えるための会員向けサービスについてご紹介します。
★☆★☆★☆★☆★≪銀行ごとの特徴≫★☆★☆★☆★☆★☆
<三菱東京UFJ銀行>
三菱東京UFJ銀行では、今月(2013年12月20日)から手数料の改定を行います。前回ご紹介した通り、自行ATMであれば、平日休日問わず所定の時間内なら無料でお金を引き出せますが、コンビニATMからお金を引き出すには、平日105円、土日祝日は210円の手数料がかかります。
手数料を抑えるには、「三菱UFJダイレクト」という会員向けサービスに加入しましょう。三菱UFJダイレクトは、インターネットバンキングの利用会員です。申し込みをすると、インターネットバンキングの会員番号と暗証番号が書かれたカードが送られてきます。この会員になっていれば、ATMに足を運ばなくても入出金履歴を確認したり、振り込みをしたりできるので便利です。
会員特典は口座残高ごとに3段階に分けられています。くわしくは図表を見ていただきたいのですが、口座残高が30万円以上あればコンビニATMが月に3回まで無料で利用できます。他行振込みが多いなら、残高が500万円以上あれば月に3回まで無料で振り込みできます。
<三井住友銀行>
三井住友銀行では、当面料金改定の予定は今のところ発表されていません。こちらにも「SMBCポイントパック」というインターネットバンキング用の会員向けサービスがあります。
自行ATMについては残高が10万円以上あれば会員でなくても時間外手数料無料で利用できます。会員になって口座残高が30万円以上あれば、コンビニATMが月4回まで無料で利用できます。
<みずほ銀行>
みずほ銀行には、「みずほマイレージクラブ」という会員制度があります。こちらは、クレジットカード機能付きのみずほマイレージクラブカードを作ると会員になれます。
みずほ銀行の場合には、残高が10万円以上あれば自行ATMの時間外手数料無料、コンビニATMも月4回まで無料で利用できます。また、イオン銀行と提携を進めていて、イオンやコンビニのミニストップなどにあるイオン銀行のATMも、自行ATMと同じ条件で利用できます。みずほ銀行のユーザーは、イオンのATMのある場所を抑えておくと、曜日や時間を気にすることなくお金の出し入れができるようになります。
また、他行あての振り込み手数料の変更にも注目です。来年2月9日以降は残高50万円以上で月に1回まで他行宛て振込が無料、残高が500万円以上あれば月に4回まで無料になります。それまではみずほマイレージクラブの会員で残高が50万円以上あれば月に3回まで他行宛て振込が無料でできるので、残高が500万円未満で他行宛て振込をよくする人にとっては使い勝手が悪くなるので注意です。
★☆★☆★≪組み合わせる事で手数料を抑える≫★☆★☆★
手数料を抑えるためには、まずよく使う銀行の会員向けサービスの申し込みが必須です。そして、そのサービス内容をよく理解しましょう。他行宛て振込が多い人は、複数の口座からお金を1カ所に集めて残高500万円以上を目指して優遇枠の拡大を行うか、もしくは他行振込み手数料が安いネット銀行などを組み合わせて利用するなど、対策を考えましょう。