FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第36回】長期優良住宅とは
日本の住宅は他国の住宅と比べて寿命が短いと言われていますが、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が2009年に施行され、日本でも寿命の長い「長期優良住宅」を普及させようという動きが始まりました。
住宅の寿命を延ばすことで、住宅の解体等に伴うゴミの排出を抑え環境への負荷を低減するとともに、建替え費用を削減することで、国民の住宅に対する負担を軽減することも狙っています。 長期優良住宅と認められるには、耐震性や省エネ性などの面で認定基準をクリアし、定期的な点検・補修の維持保全計画が作られている必要もあります。認定基準は、下記にある9項目からなっています。
上記基準をクリアすることに加え、住宅履歴情報の作成と保管も義務付けられています。
1 |
劣化対策 | 少なくとも100年程度は骨組みを使用できること。 |
2 |
耐震性 | 大地震が来ても壊れにくい、高い強度の構造であること。 |
3 |
維持管理・更新の容易性 | 内装や設備の維持管理をしやすいこと。 |
4 |
可変性 | 居住者のライフスタイルの変化に応じて間取りの変更が可能なこと。 |
5 |
バリアフリー性 | 将来のバリアフリー改修に備え、必要なスペースを確保していること。 |
6 |
省エネルギー性 | 断熱性能などの省エネ性能を確保していること。 |
7 |
居住環境 | 周囲の町並みと調和し、建築条件に適合した建築計画になっていること。 |
8 |
住戸面積 | 一戸建て75㎡以上、マンションの場合55㎡以上。 |
9 |
維持保全管理 | 屋根、柱、壁、給排水設備などの点検時期と内容を定め、少なくとも10年ごとに点検すること。 |
☆★☆≪住宅購入に関する税金等の優遇があります!!≫★☆★
長期優良住宅を建てたり購入したりする特典として、住宅購入に関する税金等の優遇があります。例えば、住宅ローン減税は、1年間の最大控除枠が20万円上乗せされます(10年間では200万円の上乗せ)。固定資産税や不動産取得税、登録免許税等にも優遇があります。長期優良住宅を現金で購入する場合にも所得税が減税されるといった優遇策もあります。 長期優良住宅は通常の住宅よりも建築単価は高くなってしまいますが、こうした購入支援策でカバーして普及を促進しているのです。