FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第39回】フラット35Sの金利優遇
前回のこのコラムでは「低炭素住宅」についてまとめました。
長期優良住宅や低炭素住宅と認定されると、「フラット35S」の金利が10年間0.3%優遇されます。住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して作っている、全期間固定金利の住宅ローンが
フラット35ですが、「フラット35S」はその中でも「省エネ性や耐震性に優れている住宅」を購入する場合に金利の優遇を行うものです。
フラット35Sには、2つの種類の金利タイプ(プラン)があります。「Aプラン」は借入当初から10年間、金利を0.3%優遇するというものです。「Bプラン」は当初5年間、金利を0.3%優遇するというものです。
フラット35Sを使うには、省エネルギー性、耐震性、耐久性・可変性、バリアフリー性の基準のうちどれか1つの基準を満たしていなくてはなりません。金利が10年間優遇される「Aプラン」の方が「Bプラン」よりも高い基準をクリアする必要があります。前回解説した「低炭素住宅」や、以前解説した「長期優良住宅」であれば「Aプラン」の基準を満たしています。
仮にAプランの金利が適用されるとして、その効果を、例を使って解説します。まずフラット35Sではなく、普通のフラット35で、4,000万円を、期間35年、金利2%で借りるとします(元利均等返済)。毎月返済額は132,505円、総返済額は55,651,862円となります。
「フラット35S」の「Aプラン」の金利が適用される場合を考えます。当初10年間は金利が0.3%優遇されて1.7%となりますので、毎月返済額は、当初10年は126,430円と今よりも6,000円ほど低くなり、11年目以降は130,893円と今よりも1,600円ほど低くなります。総返済額も54,439,428円となり、121万円ほど低くなります。
☆★☆≪Aプラン適用の条件を満たす住宅は低炭素住宅や長期優良住宅≫★☆★
Aプラン適用の条件を満たす住宅、例えば低炭素住宅や長期優良住宅、は通常の住宅よりも建築単価は高くなりますが、このフラット35Sの金利優遇や、住宅ローン減税の優遇(20万円の控除枠上乗せ、10年で最大200万円の上乗せ)等を使うと、その負担増を和らげることができます。
なお、フラット35Sには予算が決められており、その金額に達すると受付は終了となりますので、フラット35Sを検討する際は利用可能かどうかの確認をすることをお勧めします。