FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
今回は、タイトルのとおり、生命保険の死亡保険金の受取人を法定相続人とした場合の留意すべき点についてお話しします。
法定相続人とは、民法の規定による相続人のことを言います。基本的なルールは、以下のとおりです。
・第1順位:直系卑属(子や孫など)
・第2順位:直系尊属(父や母など)
・第3順位:兄弟姉妹
配偶者については、順位はなく常に相続人となります。配偶者がいる場合、法定相続分は次のようになります。
・子がいる場合: 配偶者1/2、子1/2
・子や孫がいない場合: 配偶者2/3、親1/3
・子、孫、親いずれもいない場合: 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4
では、生命保険の死亡保険金の受取人について、特定の人を設定せずに「法定相続人」とした場合、何か問題が発生する可能性はあるのでしょうか。死亡時に、上記のとおりの法定相続分で死亡保険金が按分されるのであれば、特に問題なさそうに思えます。
ただ、実際、死亡保険金を請求する際には、死亡保険金受取人の戸籍謄本や印鑑証明書といった公的な書類などが必要になります。法定相続人が多数いる場合や法定相続人の中に相続を放棄した人(※)が含まれていると、手続きが非常に煩雑になり、死亡保険金を受け取る為に多くの時間を要する可能性が出てきてしまいます。
(※)死亡保険金は原則として、相続を放棄した人でも受け取ることができます。
死亡保険金の受取人については、生命保険に加入した後でも変更できます。いざというときに手続きをスムーズに進めるためにも、死亡保険金受取人はきちんと指定しておいた方がよいでしょう。