FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第44回】住宅ローンの返済年数は何年にするべきか?(1)
住宅ローンの相談を受けると「住宅ローンの返済年数」を何年にするべきかで、悩まれる人が多いです。定年予定の65歳や60歳までの返済にすべきなのか、35年返済がいいのか、もっと早めて20年くらいの返済にすべきなのか・・・今回は住宅ローンの返済年数について考えます。
住宅ローンの返済年数には上限があります。例えばフラット35では「80歳-申込時の年齢(1歳未満切り上げ)」(最長35年まで)となっています。この場合、例えば今40歳の人であれば、35年の返済期間にすることは可能ということです。40歳の人の35年後といえば75歳。多くの人は退職し年金生活をしているはずの年齢です。もちろん、実際には75歳まで住宅ローンを返し続けたくないと思う人がほとんどでしょう。できれば60歳か65歳といった退職時期までに返済を完了させたいと思う人が多いです。ここで返済年数の違いが毎月返済額、総返済額に与える影響を見てみましょう。
- 返済年数の違いが毎月返済額に与える影響
例えば3,000万円の住宅ローンを、3%の固定金利、元利均等返済で組んだ場合、返済年数が35年なら毎月返済額は115,455円となります。同じ3,000万円、3%で20年返済だと毎月返済額は166,379円となってしまいます。25年返済だと毎月返済額は142,263円です。35年返済と比べて20年返済だと毎月50,000円返済額が増えますし、25年返済だとしても25,000円以上返済額が増えてしまいます。20年返済や25年返済を選択した場合には、子どもの教育費がかさむ時期に家計が厳しくなる可能性もあります。
逆に総返済額は20年返済だと3,993万円、25年返済で4,268万円なのに対し、35年返済だと4,849万円となってしまいます。総返済額という観点からは、当然、少しでも早く返済した方がよいことになります。
<返済年数の違いが返済額に与える影響:3,000万円、3%の固定金利、元利均等返済で借りた場合>
返済期間 |
毎月返済額 |
総返済額 |
20年 |
166,379円 |
39,930,888円 |
25年 |
142,263円 |
42,678,858円 |
30年 |
126,481円 |
45,533,001円 |
35年 |
115,455円 |
48,490,768円 |