FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第45回】住宅ローンの返済年数は何年にするべきか?(2)
住宅ローンの相談を受けると「住宅ローンの返済年数」を何年にするべきか、悩まれる人が多いです。前回は、返済年数が返済年数に与える影響を見ました。
- 返済年数を決めるには、ライフプランを考える
前回見たように、返済年数を短くすれば毎月返済額は増えます。一方、総返済額を少しでも少なくしたければ返済年数は短い方が有利になります。返済年数をどうすべきかを考える際にはまず、ライフプランが大事になってきます。子どもの教育費が重くなる時期と住宅ローン返済が重なるのであれば、やはり返済年数は少しでも長くして毎月返済額を少しでも抑えることを優先した方がよいでしょう。そして子どもが独立後は一般的には貯金が貯まりやすくなりますので、子ども独立後に定期的に繰上げ返済(期間短縮型の繰上げ返済)を行うことで、返済期間を少しずつ短くしていくというのが現実的な選択になるでしょう。
- 繰上げ返済は簡単だが、返済年数を延ばすのは難しい
また返済年数を短くしていくのは、期間短縮型の繰上げ返済を行えば簡単にできます。そと比べ「借入先の金融機関に、一度決めた返済年数を延ばしてもらう」というのは難しいです。従って返済年数を何年にすべきか迷ったら、とりあえず長めに借り、余裕があれば繰上げ返済をする、という考え方が無難です。
子どもが独立してから繰上げ返済をしていくというプランを立てていても、いざ本当にそういう時期になると住宅ローンの繰上げ返済には回さず、旅行や趣味などのお金に使ってしまうという家庭も、実際には多いです。そして結局、住宅ローンの多くを退職金で繰上げ返済することにし、今度は老後のお金が足りなくなる、そんなパターンに陥る人も多いです。
住宅ローンの返済年数を決める際には、ライフプランを基にした住宅ローンの返済計画を立てることが大事で、そして組んだ後も、それを定期的にチェックしていく姿勢が大事です。一人でそれができない、という方は我々ファイナンシャルプランナーなどを顧問にするなどして定期的に相談する環境を作るといったこともお勧めです。