FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第50回】住宅を買い替えた場合の減税 その1
住宅ローン減税と売却益についての税の優遇
子どもが大きくなるにつれ、または子どもが独立したタイミングなどで、マイホームを買い替えるということはよく行われます。今回はまず、マイホームを買い替える場合の住宅ローン減税についてまとめます。
また、マイホームの買い替えには税金面の優遇措置があります。
今回はマイホームを売却して売却益が出るような場合の税金の優遇についても解説します。
■ 住宅ローン減税はもう一度受けられる
住宅を買い替えた場合、新たに住宅ローンを組む方が多いと思います。その場合は、新たに10年間住宅ローン減税を受けられます。
2014年4月現在(消費税率8%で住宅を購入した場合)の住宅ローン減税は「年末のローン残高の1%の範囲内で所得税(と住民税)が軽減される」制度になっています。減税の最高限度額は決まっていて、一般の住宅だと年間40万円まで、長期優良住宅等の場合は年間50万円まで、となっています。所得税から引き切れない分があれば住民税からも減税されますが、住民税は136,500円が上限となります。
■ 売却して利益が出た場合の特例1 :売却益から3,000万円は非課税に!
次にマイホームを売却して利益が出た場合の税金の優遇について解説します。売却益が出る場合、そこから3,000万円分は非課税にできます。買った当初より価格が上がっているケースは今では多くないとは思いますがもし利益が出ている場合には使いたい制度です。ただし、この制度を使った場合には住宅ローン減税を受けることはできなくなります。売却益が出ていてもそれがわずかであればこの、利益が3,000万円分非課税になる特例は使わずに住宅ローン減税を使った方が有利になる場合もありますので、きちんと計算してみることが必要です。
■ 売却して利益が出た場合の特例2 :10年以上の所有期間なら、税率は14%に軽減
もし売却益が3,000万円を超え、税金を払うような場合でも、利益にかかる税金は優遇される場合があります。売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている場合には、税率が14%(住民税を含む)と優遇された税率が適用されます(本来の税率は20%)。