FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第60回】賃貸併用住宅のデメリット
◆賃貸併用住宅のデメリット◆【山本俊成 第60回】◆
前回、前々回と「賃貸併用住宅」のメリットをまとめてきました。
今回は「賃貸併用住宅」のデメリットについて考えます。
■賃貸併用住宅のデメリット:売却時に売りにくい
賃貸併用住宅のデメリットは、売却することになった場合に買い手が見つけにくい場合もあることです。
賃貸併用住宅は通常の住宅と比べて建築価格が高くなってしまいます。売却時には自分が思っているよりも価格を下げないと売れないことは想定されるリスクとして考えておくべきでしょう。
中古の賃貸併用住宅を探しているという方がちょうどいればすぐに売却できる可能性はありますが、「中古のマイホームを買いたい」もしくは「中古の収益不動産を買いたい」という人の数に比べればそういう人は少ないはずです。
売却の際に希望する時期に希望する価格で売れない可能性があるというのは賃貸併用住宅のデメリットになりうるでしょう。
売却時にできるだけ困らないようにするには、立地が大事になってきます。
これは通常の不動産と同じですが、駅から遠いと不利になる可能性が高いです。
賃貸併用住宅の賃貸部分の家賃が値下がりせずに安定的に入居者を確保できるかどうか、という点でも立地は大事な要素。
賃貸併用住宅を建てたいと思われている方は、立地についてはよく検討しておきたいポイントの1つです。
■賃貸併用住宅のデメリット:相続争いになりやすい
また相続争いになりやすいというのも賃貸併用住宅のデメリットになりうるでしょう。
賃貸併用住宅は「家賃収入つきのマイホーム」ととても美味しい資産です。
子どもが二人いる場合に、どちらがその賃貸併用住宅を受け継ぐのかで争いが起きる可能性はゼロではありません。兄弟に半分ずつ相続させることもできますが、その場合、将来の売却や建替え等で揉める可能性があります。どちらか一方に賃貸併用住宅を相続させると今度は不平等ということで争いが起きる可能性があります。
もしその他に収益不動産をいくつか持っていれば、賃貸併用住宅は兄に、その他の収益不動産は弟にといったことでできるだけ平等になるようにすることは可能です。 また生命保険を多くかけておき、兄には賃貸併用住宅、弟には生命保険金を基に多くの現金を相続させるといったことでできるだけ平等になるようにするといったことも可能でしょう。 賃貸併用住宅を検討されている方は将来相続争いが起きないかどうかという点も事前に検討しておくべきだと言えます。