FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第73回】投資信託の種類
◆投資信託の種類◆
資産運用を行う際に、投資信託を活用する方は多いです。以前のコラムでも書きましたが、投資信託というのは、投資家から集めたお金をひとつにまとめ運用の専門家が株式や債券などに投資し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組み、のことです。
投資信託と一口に言っても色々な種類があります。
ここでは投資信託の分類方法をいくつかご紹介します。
■ 株式投信と公社債投信
まず、投資信託の投資対象が何になるかで分ける方法です。
株式に投資するものを「株式投資信託」、公社債のみに投資するものを「公社債投資信託」と分類しています。
厳密には株式を一切組み入れていないものを「公社債投資信託」とし、ほんの少しでも株式に投資しているもの(投資する可能性のあるもの)は「株式投資信託」に分類されます。この違いは、私たちが投資を行う上ではそれほど重要なポイントには思えないのですが、FP資格や証券外務員の試験などには、頻繁に出題される論点だったりします。
たとえば「株式の組み入れ比率が3%以内であり、公社債を中心に運用しているものは公社債投資信託に分類される。○か×か」というような問題が出ます。答えは×です(株式を一切組み入れていないものが「公社債投資信託」)。
■バリュー運用とグロース運用
運用手法で投資信託を分類する場合もあります。
ここでは主に株式投信で用いられるバリュー運用とグロース運用について説明します。
「バリュー運用」型の投資信託は、株価が「割安」になっている銘柄に注目する運用方法です。その企業の利益や持っている資産から判断すると、もっと価値(バリュー)は高くてよいはず、という銘柄を探して投資をします。
「グロース運用」型の投資信託は、企業の「成長性(グロース)」に注目する運用手法です。
今後、業績が大きく伸びていくことが期待できる企業に投資します。
「××成長株ファンド」など「成長」という言葉が入っていたらグロース運用のことが多いです。
「××バリュー株ファンド」のようにバリュー運用の場合は「バリュー」という言葉がそのまま入っていることが多いでしょうか。
また「高配当銘柄に投資する」投資信託もバリュー運用の一種です。グロース運用かバリュー運用かはファンドの名前で判断できる場合が多いですが、それだけでなく目論見書などで確認することもできます。