FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第76回】アクティブ運用とインデックス運用②
アクティブ運用とインデックス運用の手数料の比較と、直販型投資信託について
前回までのコラムでは、投資信託の手数料について解説し、アクティブ運用型の投資信託とインデックス型の投資信託を比べると、手数料が高い分、アクティブ運用型は負けてしまうものが多い、ということを解説してきました。
ここではアクティブ運用型の投資信託とインデックス型の投資信託で具体的にどれくらい差があるのかを見ておくとともに、アクティブ運用型の投資信託の中でも比較的手数料が低めに設定されている直販型の投資信託についても解説します。
■ アクティブ運用とインデックス運用の手数料の違い
アクティブ運用型の投資信託は手数料が高くなってしまうので、目標とするインデックス(TOPIXなどの指数)に負けてしまうことが多い、というのを述べました。
例えば日本株に投資する投資信託で、あるアクティブ運用型の投資信託は、販売手数料3.15%、信託報酬1.71%、信託財産留保額は0となっていました。
同じ日本株に投資するインデックス型の投資信託では、販売手数料0%(ノーロード)、信託報酬は0.49%、信託財産留保額は0.05%となっていました。信託報酬だけでも年1%以上の差があります。
この手数料の差を埋めるだけの利回りをアクティブ運用型のファンドが出せればいいのでしょうが、現実にはそれが難しく、多くのアクティブ運用型の投資信託は、インデックス型の投資信託よりも利回りが低いものが多くなってしまうのです。
■ 手数料の低い、直販型の投資信託も増えてきた
日本の投資信託運用会社(投資信託を作る会社)の多くは、証券会社等の金融機関を親会社に持つところが多いです。
投資信託運用会社(投資信託を作る会社)と販売会社の2つが利益を得なければビジネスとして成り立たりませんので、手数料が高くなる1つの要因になっていると言えます。
一方でアクティブ運用の中でも最近では、「直販型」と呼ばれる投資信託が増えてきました。さわかみファンド、などが有名でしょうか。
これら直販型の投資信託は、金融機関を親会社に持たない独立系の投資信託で、運用会社が直に投資家を募集することで、アクティブ運用型の投資信託でもコストが低くなっています。
また一般的な投資信託とは違った、独自の運用哲学で運用している投資信託も多いです。
アクティブ運用型の投資信託で資産運用をしたい方は、こうした直販型の投資信託も選択肢として検討してみるとよいかもしれません。