FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【山本俊成 第80回】投資信託の分配金について
ここ数回のコラムでは、投資信託について解説しています。
前回は投資信託から少し離れ、不動産に投資するファンド、についてまとめました。
今回は再び投資信託にテーマを戻し、その分配金についてまとめます。
■ 投資信託の分配金
投資信託は国内外の株式や債券など様々な資産に投資していますが、それらから配当や利子を受け取っています。
また、株式や債券など価格が変動するのでうまく行けば値上がり益を得られる場合があります。投資信託の中には、これらの利益を定期的に投資家に分配する投資信託が多いです(もちろん定期的に分配金を出す投資信託だけでなく、分配金を出さない投資信託もあります)。
分配金の受け取りは1年に1回だったり、毎月1回だったり、2ヶ月に1回だったりと投資信託によって様々ですが、その時の状況によって、分配金の金額が前回よりも下がったり、分配金が全く出ないということもあります。
分配金は、支払われた分配金をそのまま受け取るだけでなく、支払われた分配金を自動的に同じ投資信託に再投資することを選択できるようになっているのが一般的です。
この場合、分配金から税金などを差し引かれた分が再投資に回ります。
分配をいつどのような方法で行うかは、目論見書等に記載されています。
投資信託を選ぶ際は分配方針を確認し、過去の分配実績もチェックしておくと良いでしょう。
■ 人気の毎月分配型投資信託は複利効果が薄れるというデメリットも
投資信託の中で人気なのが、分配金が毎月受け取れる「毎月分配型」の投資信託です。
しかし分配金が支払われる際、分配金から税金が引かれてしまいます。
分配金を再投資する仕組みはありますが、税金が引かれてしまう分、複利効果を十分に得ることができません。
逆に言えば、分配金を出さない投資信託の場合は、税金を引かれることなく、その利益が貯まっていくので分配金を出す投資信託よりも長期運用による複利効果が得やすくなります。
若い人で将来の老後資金を投資信託で作っていきたいというような場合は、一般的には毎月分配型の投資信託を選ばない方が合理的だと言えます。