スタッフブログ(2022/05/11)
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2022/05/11 続:相続税対策判決を考える
皆さんこんにちは!和不動産スタッフブログ担当です。
今回のスタッフブログは、「続:相続税対策判決を考える」です。
前回、相続税回避の最高裁判決に関して述べましたが、当事案に近しい過去事例を調べました。
その結果見えてきたものとは?
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■結論怯える事はないでしょう
コラムやニュースを見ていると騒がれた印象のあるこの相続税逃れみたいな話ですが、誇張している記事が多いように思われます。あらましを申し上げますと相続税評価額と実勢価格の差を利用してマンションを購入して借入を起こし、相続税評価額を圧縮して課税を逃れたとしておよそ3億円の追徴課税が起きた事案がありました。
相続人側は不服申し立てを行い、最高裁まで争ったのですが4月19日に訴えが棄却されました。
しっかりと時間をかけて対策をたてていく事が大切ですと結んだのが前回のお話。
>>前回記事はこちら
●今後も同様の事例が増えるのか?
今回は今後同様の事例が増えるのかどうかを調査するために過去の事例を調べてみました。
国税不服審判所というものがあるのですが、国税から指摘が入った場合の事例で「そりゃなっとくいかん」となりますと最初にここに不服申し立てを行います。この国税不服審判所のページで事例の検索、閲覧が行えるのですが、流石に全ての事件を調べる事は出来ません。
調べを進めておりますと税務大学校という国税庁所管の大学校の山田 重將さんと言う方が財産評価基本通達に関する考察論を発表されておりましたので、こちらを参照させて頂きました。
国税不服審判所で確認出来る財産評価基本通達6項に関連する事案は57例あり、その内不動産に関わるもので、かつ今回の事案に近しいケースは8例となっております。
株式に関連する事例は43例に上ります。
不動産に関する事件8例の内さらに土地に関するものではないもの。
つまり、マンション等建物に関連するものは2例しか確認できませんでした。
裁判所の事件記録を参照して可能な限り調べてみましたが、具体的な事件の中身までは分かりませんでした。こちらの表をご覧下さい。
この図は上記57例の内訳を示したものの一部です。マンションと書かれた事例が3例あるのが確認できます。この図からもわかるとおり収益物件に関わる事例の中で財産評価基本通達6項の適用事例は極めて少ないと言う事が分かります。
●国の基本方針
国税の基本方針を考えてみましょう。
表をみますと価額乖離型、租税回避型の2種がある事が見てとれますが、換言しますとこの2通りの考え方に分類される事例にのみ6項は適用されると言う事になります。
価額乖離型とは財産評価額が実態とあまりにもかけ離れるとされている事例の事です。
租税回避型とは納税を逃れるために行ったと認められる事例の事になりますね。
相続直前に慌てて不動産を購入するなど無理のある相続対策を行わなければ、とりたてて心配するには及ばないと言えるかと思います。今回調べて明らかになった事は適用頻度が著しく低いと言う事です。
国税不服審判所 今回の事件リンク
https://www.kfs.go.jp/service/JP/107/07/index.html
最後に参考文献のリンク先を添えさせて頂きます。
画像はこちらの資料から添付いたしました。
※非常に長文となります
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/80/02/index.htm
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いかがでしたでしょうか。
今回の裁判で不安になった方も多いのではないかと思います。
詳しく調べるきっかけとなったのも、不安になられたオーナー様からご相談を頂いたからでした。
過去の適用事例まで調べる事もあまりないため、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
今回のスタッフブログはここまで。次回もぜひご覧ください!さよなら、さよなら。