不動産投資 失敗事例 (その8)

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失敗事例 ~その8~ |
不動産市場が活況のいま、自社で一棟マンションを建築し、「新築区分マンション」を投資用物件として勧めてくる不動産会社さんが増えているようです。
オーナーのAさんは投資用に約4,000万円で新築の区分マンションを購入し、マンション経営を始めました。
しかし、約10万円の家賃収入があるのにもかかわらず、ローンの支払いや管理費・修繕費で、毎月の収支は1万円程マイナスになってしまいました。何故このようなことが起こってしまったのでしょうか?
1つ目の原因として、購入した物件が高額な「新築」の物件だったことが挙げられます。先ほどのオーナーAさんは、都心に近い単身用の区分マンションを約4,000万円で購入しました。しかし、これが中古物件であれば築10年以下でも、2,000万円前後で取引されています。つまり新築の半分程度で、購入できるのです。
Aさんは35年のローンを組みましたが、そもそもの購入金額が高額だったために、毎月のローン支払いも約10万円となってしまいました。
2つ目の原因は、「物件価値が下げ幅を想定していなかった」ことです。
新築物件は20年後、30年後も新築と同じ金額の家賃を取れるわけではありません。立地にもよりますが、新築時の家賃を100とすると、下げ幅は10年後に新築時の家賃の89%、20年後に83%程度になるのがおよその相場とされています。
立地や周辺物件の下げ幅を考慮して購入しないと、数十年後の家賃は想定よりも少なくなってしまいます。また、管理費や修繕費も家賃の10%程度を想定しておく必要があります。
オーナーのAさんのケースでは、毎月約10万円の家賃収入が入るのに対し、約10万円のローン支払いと約1万円の管理修繕費が発生したために、毎月1万円のマイナスとなってしまいました。
不動産投資の情報サイト「健美家」が行った「不動産投資に失敗しなかった理由」のアンケートでは「本を読んで知識を身に付けた」が52.3%、「セミナーにたくさん参加して、知識を身に付けた」が28.9%と、8割以上の人が「本やセミナーから経営の知識を身に付けた」と回答しています。
マンション経営を成功させる秘訣は、やはり「知識」を身に付けることなのではないでしょうか。そして、購入する前に収益が見込めるのか?ローンはどのように返済していくのか?といった、「計画」や「目標」を想定しておくことが重要です。
