FPコラム【伊藤潤平 第14回】

ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【伊藤潤平 第14回】ファンド体験談Ⅱ-②
◆IT企業に勤めるAさん31歳の話◆
※第1回は、こちらから読めます。
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★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪疑心暗鬼で始めたファンド投資≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆

香港のブックメーカーファンドに投資する決意を固めたAさんは、早速契約書にサインをして郵送しました。また、お金は国内にある指定口座へ振込みました。(どうやって香港の運用場所に送るのかな。)とふと疑問に思い聞いてみると、
「今は十分に資金があるから香港は香港で、日本は日本で別々に資金を保管していて配当は国内の資金の中から投資家の口座に振り込んでいるよ。」(ふーん、そうなんだ)Aさんはその答えに納得しました。
お金を振込んでからファンド側の返事が来るまでの間はファンド投資を始める際に一番の不安な時期でありAさんはその間落ち着かない日々を過ごしました。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪配当が振り込まれ運用が始まると≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆
しかし、二週間経った頃にようやくファンド側から郵便物が届き資金を預かったことと運用が始まったことの通知書が届きました。
Aさんは不安から解消され、後はワクワクしながら配当日を待ちました。指定された期日に配当もきちんと振り込まれ、普段の固定給よりも多くお金がもらえたことにAさんは感激しました。(これで少し豪華な生活を送ろう!)と思いランチも高めのお店に入ったり、ワインも一ランク高級品を仕入れたり日々の生活をより楽しむようになりました。
しばらくすると紹介してくれた友人から「このファンドを他の人に勧めてみない?紹介すると少しだけ謝礼金がもらえるよ。」と言われ、思いもよらぬ提案に迷ったものの(自分が良いと思うものだから勧めたいな)と思い、そのファンドの紹介活動も始めました。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪途中で浮かんだ疑問≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆
Aさんに紹介してくれたブローカーが説明する場所に何度か立ち合い、説明の手順、アプローチの方法などを真剣に観察して学び取っていきました。
(投資家)「ブックメーカーで勝てなくなることはないんですか?」
(ブローカー)「そのときは終了して元本をお返しします。儲からなくなるだけですよ。」
(Aさん)(ははは、同じような質問が多いんだな。俺も何回かやれば覚えられるだろう。)
(投資家)「香港では何人くらいがトレードしているんですか?」
(ブローカー)「今香港側では2000人くらいですね。」
(Aさん)(えっ、2000人!?そんなにたくさんいて大丈夫なのかな。)
Aさんは新たな情報を聞いて少しおかしいと思う時もありながらも配当をもらいながら誰かを紹介したらさらに収入が増えるメリットに惹かれ、そのファンドの配当で数年後に裕福な生活を送っている姿を想像しました。
⇒パート3に続く