FPコラム
ファイナンシャルプランナーによる金融商品に関するコラムです。
【伊藤潤平 第15回】ファンド体験談Ⅱ-③
◆IT企業に勤めるAさん31歳の話◆
※第2回は、こちらから読めます。
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★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪ファンド投資開始から1年≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆
Aさんが会社員の給料以外にファンドからの配当を毎月もらい続けて、一年以上が過ぎました。銀行口座に入って来るお金はどんどん増え続けて、あっという間に100万円が貯まるようになりました。そうして増えた100万円をファンドに追加投資して、毎月の配当をさらに増やしていきました。一定の金額以上を投資した人を対象としたファンド見学ツアーも組まれ、香港で社長と会う機会もありました。社長はとても誠実そうな人だったので、(この人だったら大丈夫だな)と安心して投資を続けていきました。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪友人にも積極的に勧誘≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆
翌年の1月には「月内限定配当増額キャンペーン」が行われ、1月中に新規か追加で投資をすればその資金に対する配当が増えるというアナウンスがされました。Aさんは少し迷ったものの配当を増やすチャンスと思い、思い切って貯金の中からお金を出して追加で投資することにしたのです。そして、まわりの友人で投資に興味がありそうな人がいれば自分の体験談を伝え、熱心に営業を続けました。「今すごいチャンスだよ!」
「本当かよ、何か危なそうなんだけど。」
「大丈夫だよ、実際俺が本当に配当もらってるんだから。」
その言葉を聞いた何人かの友人もファンド投資を始め、翌月から配当をもらい、そのお金で贅沢をするようになりました。
豊かな生活を送りながら、資産を雪だるま式に増やせて、さらにまわりの人にも感謝される、そんな夢のような生活にAさんは大きな幸福感を感じていました。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆≪ふと思った疑問≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ファンドが始まってから4年が経過したある日、ふと一つの疑問が心に浮かんできました。(このままファンドの資金が何十億、百億と増えていったらどうなるんだろう。前に従業員が2000人って言ってたけど、それがどんどん増えたら頭打ちになることはないのかな)そんな疑問も感じつつ、Aさんはまわりの投資家と豊かな生活を続けていきました。
そしてゴールデンウィークが近づいたある日、Aさんの元にファンドから郵便物が届いたのです。
「ゴールデンウィーク中は営業停止の為、みなさまへの配当が5/9に遅れます」
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