不動産投資のゴールである「目標達成」について考える
不動産投資において目標は、非常に重要です。
なぜなら、目標が無ければ、ゴールに到達できないからです。
目標自体によって運用方法も変わってきます。
年金対策を目的とする人、早期リタイアを目的とする人、相続税対策を目的とする人、事業として取り組む人など、ゴールが異なれば、やり方や選ぶ物件も変わってくるでしょう。
そして、マンション投資に対しての行動も、「こうなったらいいなと考えている人」と「是が非でも達成したいと考えている人」で変わってくるでしょう。
本記事では、マンション投資での「目標達成」について解説したいと思います。
不動産投資におけるゴール、すなわち目標達成するための過程を踏むなかで繰り返し行われるのは、「目標の明確化」、「現状の明確化」、「ギャップの原因分析」の3つです。
この3つすべてを妥協せずに何度も繰り返すことで、目標達成に向けて何をするべきかが見えてきます。
その一つ一つを確認していきましょう。
【1】 目標の明確化
あなた自身が不動産投資を通して達成したいゴールを具体化するのが「目標の明確化」です。
ここで明確化された目標を達成するために実施されるわけですから、このステップが終わらなければ本当の意味で不動産投資がスタートしたとは言えません。
「目標の明確化」が不動産投資活動の最も重要なステップだと考えられるでしょう。
「目標の明確化」を考えるにあたって
・不動産投資であなたが達成したい目標は何ですか。
・何のためにその目標を達成したいのですか。
・目標達成することで何を手に入れることができますか。
・目標の達成度合いを計測する基準は何ですか。
これらの事項に回答し、何をすれば達成になるのか、を真剣に考えることが重要です。
不動産投資における目標の重要性
人は自分の行動に意味を求める生き物です。目標や目的地、つまり『ゴール』が決まっていなければ、現在の自分の行動は「何のためにやっているのかわからない意味のない行動」となり、モチベーションの低下につながります。
逆に、本当に自分が目指したいゴールがはっきりしている場合、そのゴールに向かって少しでも前進する行動はすべて「意味のある行動」となり、モチベーションにプラスの影響を与えます。
つまり、“目標”がなければゴールに到達できません。目標設定は、非常に重要なポイントです。しかし、本当に自分が到達したい目的地を最初から明瞭に語れる方はごく少数です。
実は、目標の設定は重要であると同時に、非常に困難なプロセスでもあります。
ビジネスの世界で生きる私たちは、上司から命じられた指示をそのまま受け入れて設定したり、深く考えずにとりあえず手近な営業目標を設定して走り始めたり、という行動に慣れきっています。だから、あまり深く考えずに目標を語ってしまうのも無理はありません。
多くの人が、周囲から「こうした方が良い」と言われていることや、何となく「できたらいいな」レベルの目標を「やりたい」と発言しています。さらに、普段から「自分は何者で、何を欲し、何を実現したいと思って生きているのか」と考えている人は多くないでしょう。
そのため、突然「何を手に入れたいか」と質問を投げかけられると、多くの場合、「憧れの目標(Hope to)」と「しなければならない目標(Have to)」の2つに分類されるような目標について話をします。
一方で、不動産投資で成功するために必要な本当の目標設定は、以下の1つのみです。
真に達成したい目標(Want to)
目標設定を行う際、「憧れ」や「しなければならない」目標ではなく、最終的には「真に達成したい目標」をしっかり決める必要があります。
不動産投資でいまいちな結果に陥る人にありがちな目標の1つ目は、「憧れの目標(Hope to)」を設定している人です。憧れの目標(Hope to)とは、本気で思っているわけではなく、「楽をして手に入ればいいな」とか、「将来の夢として手に入れたいな」と思っているようなケースです。
「心の底から何をしてでも手に入れたい!」とは思っていなかったり、「内心では実現しないだろう」と思っている場合も同様です。
不動産投資でいまいちな結果に陥る人にありがちな目標の2つ目は、「しなければならない目標(Have to)」を設定している人です。これは例えば、達成しなければ発生するであろうマイナスの出来事を回避するために設定されるようなものです。
Have to型の行動は、ここまで極端ではないにせよ、できることならやりたくない、しかし行動を起こさなければ自分にとってマイナスの出来事が発生する、だから仕方なくやる、という動機付けで発生する行動はすべてあてはまります。
一方、「真に達成したい目標(want to)」とは、「達成させて出世したい」というような、達成することで手に入るプラスの出来事を追求するために設定された目標です。
脳の働きの本質は「自発性」であり、そもそも脳に何かを強制することはとても難しいそうです。
不動産投資で成功するために、真に達成したい目標にするコツは、ご自身で楽しみながら運用していくことです。
【2】 「現状の明確化」
達成したいゴールが明確になったら、そのゴールに対して自分の現状はどのような状況であるのか、そして自分はどちらの方向に進んでいるのかを、できる限り正確に知る必要があります。なぜなら、目標地点に対して現在地が確認できて初めて進むべき方向が定まり、目標に向けた前進を始められるようになるからです。
しかし、自分自身の現状を自分自身の思い込みだけで明確化してしまうと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
「自分はこう思っている」という本人の主観と、「実際はこうだった」という客観的事実の間に齟齬(そご)が生まれることはさして珍しい事ではありません。齟齬が生まれる理由は、人によって物の捉え方や考え方が異なるからです。
そうならないためには、現状の明確化を実施する時に、今一度立ち止まって自分を客観的に検証してみることが重要になります。
ただし、これは口でいうほど簡単にできる事ではありません。なぜなら、長い人生を通じて、その人が「これが一番いい」と当然のように思っている考えに疑いを挟むのは、何かのきっかけがない限り、非常に困難だからです。
マンション投資の場合、客観的に検証する方法として、不動産投資家との対話やセミナー参加など、定期的に刺激を受け他人の考え方に触れてみる事がいいでしょう。
自己を客観視するということは、非常に勇気がいる行動です。しかし、自分を成長させるために、必要なことであることも確かです。
目標達成できない自分に打ち勝つには、自分の嫌なところと直面することになります。これが嫌だから、逃げてしまいたい気持ちも理解できます。
賃貸経営は長期戦。逃げてしまったら、成長できないのも事実です。真の投資家になるには、自分自身をコントロールすること。自分自身を成長させる行動をとっていきましょう。
【3】「ギャップの原因分析」
「目標の明確化」と「現状の明確化」のステップが終わると、次は「ギャップの原因分析」に入ります。現状と目標との間、ギャップを埋める行動を決めることが、成長には必要不可欠です。
ギャップの原因を分析するプロセスで注意しなければならないことは、「他責」の状態に陥らないことです。
「他責」とは、責任の所在を自分ではなく他人や環境に求めてしまう状態のことです。
家賃収入が思うように得られない、年収が上がらない等、マンション経営がいまいちな原因を環境や他人のせいにしても、パフォーマンスは上がりません。
本来、不動産投資家としてすべきことは、「自分の運用のパフォーマンス」を上げることなのです。
自分自身をマンション経営で成功させるために、ギャップの原因分析に注意を集中させましょう。そうすることで、具体的な行動が決まってきます。それに基づき行動すれば、よりよい運用が可能になります。
しかし多くの人は、ギャップの原因分析が自分自身で出来ないから、残念ながらパフォーマンスが上がらない人が増えてしまうのです。
ローンを活用し、融資による他人資本で利益を得る事が出来るのがマンション経営ですが、いくら数字上で年間の利回りが良くても、それが全てではありません。価格や利回り、節税、所得税の税金還付など末梢だけに拘ってしまい、本当の目的である財産形成がおざなりになってしまっては意味がありません。
定年後の生活の為に貯金に代わる手段として考えていたマンション経営がいつの間にか目的がすり替わっているケースが散見されます。
日本は人生100年時代に突入しています。年齢の高まりとともに経済や業界が停滞する可能性もありますし、土地問題や人口減が入居者数に影響し収益に直接関係してくるでしょう。本当の目的をしっかりと見据えた戦略的な取り組みが大切です。
常に最新の知識を勉強しアップデートを繰り返し、未来でもぶれることなく真に達成したい目標に向かっていって下さい。
この記事のまとめ
Q1 不動産投資ではなぜ目標が大切なの?
目標が無いと計画が立てられません。財産形成は、なりたい姿をイメージし、それに向かって計画的に運用をしていくことで実現します。その際のなりたい姿が目標になります。
Q2 不動産投資の目標って夢とは違うの?
多くの人が漫然と考えているのは「こうなったらいいな」という希望に過ぎません。目標とはその実現を強く望む具体的な計画になります。不動産投資の結果は「こうなったらいいな」というような曖昧なものでは困ります。
Q3 不動産投資が上手くいかないのはなぜ?
期待している投資効果が出ない。つまり現状と目標にギャップがある場合ですが、それを埋めるためには自分自身の至らぬ点を見つめなければなりません。現状分析の中で冷静に自分を見つめ、問題点の解決に努める事が大切です。
Q4 不動産投資をゴールから考えるって何?
達成するべき目標を先ず定めてから、どんな投資を行うかを考える事です。とりあえず始めてみるのではなく、「こうなりたいからこれをやっていく」と考えます。「不動産投資ではこれだけの資産を作りたい。だから、これだけのリスクを負いこの投資を行う。」そのように考えていく訳です。
Q5 不動産投資で多くの人が諦めてしまう事は?
マンション経営では持続的な努力が必要です。目標や目的意識を持たずにマンション経営を行っても、モチベーションが続かず途中でいい加減な形になってしまいがちです。大切なのは目標設定です。向かうべき目標がある事で、計画的に資産形成をしていく事が出来ます。
コンテンツ
- 【TOP】不動産投資の成功率を高めるための考え方
- 【1】不動産投資のゴールである「目標達成」について考える
- 【2】不動産投資家として成長するためには気づきが重要!
- 【3】不動産投資家に必要なPBPの視点
- 【4】投資には、3つのプランが必要!
- 【5】不動産投資で成果を出すための行動力をアップさせる方法!
- 【6】不動産投資の成功に必要な【グリット】と【再投資】
- 【7】資産運用で成功するには「知恵」と「忍耐」が必要
- 【8】不動産投資家として知恵の磨き方
- 【9】お金に好かれたいなら、お金を大切にする人になろう
- 【10】不動産投資で成功したいのなら、楽をして儲けようと思わないこと
- 【11】お金持ちへの扉はどこにでもある!
- 【12】お金持ちの苦労とは?
- 【13】マネーセンスを磨いて、不動産投資家として成長しよう!
- 【14】不動産投資で成功したいなら自分の常識を疑え!
- 【15】不動産投資で成功するかは、投資家の器で決まります。
- 【16】『どのようにお金を稼ぐか』で、人の幸せは決まる!
- 【17】お金のなる木を育てよう!不動産投資は育てる意識が大切
- 【18】不動産投資家は、口座の使い方を考えて資金管理を!